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2007年12月25日

昨日の 「現在服用中の折衝飲」 の続き

折り返し頂いたメール: さっそくのお返事、どうもありがとうございました。

 ちょうど本日が受診日だったので、月経前に火照る症状が強いことを前より強く訴えると、その時期に薬を足してみましょうか、ということになりました。

「漢方薬で温まりすぎているということなんでしょうか」
と尋ねると、
「そういう作用があるのは当帰と桂皮ぐらいで、冷え症用の薬は一切入っていないので、そういうことではないと思います」
というお答えでした。

 結局、月経前の症状が出る時期に、カネボウの加味逍遥散料(朝食前)
が出ることになりました。

 漢方薬の本(小学館『体質・症状・病気で選ぶ 漢方薬の手引き』)によると、月経不順や月経困難に使う薬なのですね。
 たしかに、月経前、火照りのほかに、便秘や、昼は眠いのに夜は目が冴える、けだるいというのもありますので、一度、服用してみようと思います。

>  この処方は合わない人がいるのは、それを見分けて使用するのが
> 専門家の役目ですから、合わない場合こそ微調整することが必要で、

 そのためには、患者の側も、自分の様子に注意して、受診のときにしっかり伝えることが必要なのですね。
 医者に対して物を言うのは、どうも遠慮がありますが、もう数回、あれこれしてみます。
 それで症状が改善されないようなら、またそのとき、考えることにします。

>  ところで、ご質問の「油断がならない川芎(センキュウ)や当帰」については、
> あくまでアトピー性皮膚炎の話です。
>  アトピー性皮膚炎の人は、うかつに使用すると却って悪化する場合が
> あるからあのように書いたので、他の疾患ではそれほど神経を使う必要
> はないのです。

 早とちりで、すみません。
 よく理解できました。

 いつも、ご親切、ごていねいにありがとうございます。
(これぐらいしかできずで申し訳ないのですが、ブログで、1クリックさせていただきました。)


お返事メール:お医者さんに遠慮し過ぎて報告すべきことを伝えずにいると、いくら名医でも良い配合が出来ないと思います。漢方は西洋医学のように検査データをもとに処方を決めるのではなく、それらも参考するにせよ、結局は「弁証論治」こそが最初で最後の重要事項です。その弁証論治を正確に行うには、患者さんの服用後の体感的な情報はとても重要な要素の一つです。ですから、

> そのためには、患者の側も、自分の様子に注意して、受診のときに
> しっかり伝えることが必要なのですね。

こそ重要で、

> 医者に対して物を言うのは、どうも遠慮がありますが、

という不要な遠慮をされると、せっかく名医にかかっておりながら思うように治してもらえず、名医にかかっていたことだけが自慢という本末転倒した現実が沢山みられる昨今です(苦笑)。

【編集後記】 たとえ足が冷えても上半身が薄着で平気な体質の人が、当帰のみならず、桂皮や川芎(センキュウ)までも配合された方剤を服用すると、ひどく顔が火照る軽度の不快反応がでる場合がある。この場合は、必ず配合を微調整してもらう必要がある。
 この反応は桂皮や当帰のみならず、川芎(センキュウ)にこそシバシバ見られる反応である。朝鮮人参や御種人参・紅参なども同様である。
posted by ヒゲ薬剤師 at 01:20| 山口 ☔| 折衝飲と牛膝散 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月12日

現在服用中の漢方薬、折衝飲(せっしょういん)についての御質問

性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
簡単なご住所 : 関西地方
御意見や御質問をどうぞ : お尋ねしたいこと:「川芎、当帰」の作用について

 9月に子宮筋腫での東洋医学科の受診は有効かどうかの質問をさせていただいた者です。その節は、ありがとうございました。その後、●●●●病院の東洋医学科を受診し、煎じ薬の処方を受けています。
 1日「延胡索2グラム、桂皮3グラム、紅花1グラム、牛膝2グラム、芍薬3グラム、川芎3グラム、当帰5グラム、桃仁5グラム、牡丹皮3グラム」というものです。

 体調としては、元々、経血過多やひどい月経痛等の困った症状がなかったのでいいとも悪いとも言いがたいのですが、

 良「多少はあった月経痛がさらに軽くなった」、
 悪「月経前に火照るような感じがしてつらい、月経前症候群のようなものは増したような気がする」という感じでしょうか。

 月1回の定期受診でも、上記のようなことは申し上げていますが、おおよそ元気なので(この処方は合わない人もいるとのことで、食欲の有無は必ず尋ねられます)、「では同じ処方で」ということになっています(筋腫の状態については検査を受けないとわからないので、来年の早いうちにでも受けて、大きくなり続けているようなら、漢方治療を断念して手術を受けることもあり得るとは思っています)。

 それで、貴ブログを拝見していて、「近況報告」12月9日付において、「油断がならない川芎や当帰」とありました。川芎や当帰は、何か副作用があるのでしょうか?
(一般向けの漢方治療や漢方薬についての書籍は何冊かもっておりまして、わたしの処方は桂枝ブクリョウ丸からブクリョウを抜いた処方に近いですが、それには副作用として、「発疹・かゆみ」「肝機能障害」とあります。そういうのは、今のところ、現れていないと思います。)

 お忙しいところ申し訳ありません。急ぎませんので、お手すきのおりがございましたら、ご教示いただければ幸いです。


お返事メール:現在、貴女が服用されている方剤の処方名は「折衝飲(せっしょういん)」です。子宮筋腫や内膜症にもしばしば応用される処方ですが、筋腫が大きい場合などでは、もっと強力な薬味の追加が必要なこともあります。
 この折衝飲に似た方剤で、川芎(センキュウ)と紅花を除いて、そのかわりに木香(もっこう)を加えたのが牛膝散(ごしつさん)と呼んで、胃にもやさしく副作用の出にくい方剤です。

 ところで、ご質問の「油断がならない川芎や当帰」については、あくまでアトピー性皮膚炎の話です。
 アトピー性皮膚炎の人は、うかつに使用すると却って悪化する場合があるからあのように書いたので、他の疾患ではそれほど神経を使う必要はないのです。
 ただし貴女の場合も、

「月経前に火照るような感じがしてつらい、月経前症候群のようなものは増したような気がする」

 と書かれていることから考えると、川芎(センキュウ)や桂枝、当帰など温熱性の薬味がやや応えているのば明らかだと思います。もっとバランスの良い配合をする必要があると思います。

 要するに貴女にとってやや温めすぎの方剤となっているので川芎(せんきゅう)の入らない牛膝散に変えて四逆散を加えるとか、主方剤を腸癰湯(ちょうようとう)に変えるとか、桂枝茯苓丸に地竜を加えるとか、弁証を繰り返し行って、様々な微調整をしてもらえるのが真の漢方専門家だと思います。

 この処方は合わない人がいるのは、それを見分けて使用するのが専門家の役目ですから、合わない場合こそ微調整することが必要で、合成医薬品のような強烈な副作用が出ることは殆どあり得ないので、ピントが合うまで微調整してもらえばよいことなのですが・・・それをやってもらえないのであれば、微調整してもらえないことのほうが問題です。
posted by ヒゲ薬剤師 at 23:44| 山口 ☔| 折衝飲と牛膝散 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)を指名されても絶対に売らない

 いま流行のメタボリックシンドロームに効果的とされる有名な漢方処方が 防風通聖散(ボウフウツウショウサン)である。
 好き嫌いを言っては余りに学問的でなく低次元の話に堕するので、我ながら汗顔の至りであるが、嫌いなものは仕方が無い。
 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)などは支離滅裂な配合であると手前勝手に断定して憚らないほど、図々しくも愚鈍というか頓馬というか、いささかボケ気味なロウジンである。

 古人の工夫になるこのような名方も、馬の耳に念仏、馬耳東風なのである。
 適応症の見分けは中々困難で、一歩誤ると麻黄や石膏あるいは川芎(センキュウ)などのように一癖のある生薬の配合された方剤では、軽度の副作用が頻発してもやむを得まい。
 だからこのようなやや峻烈に近い方剤は、指名されても売らないに限る。

 漢方薬局として名に恥じないレベルは豊富に各種方剤を揃えているが、防風通聖散の製剤は久しく販売することがないので、かなり効果も劣化しているだろうから、そろそろ廃棄処分しなければなるまい(苦笑)。

関連ブログ:

2007年12月03日

メタボには危険な防風通聖散よりも茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)

 ちょっとあやふやなタイトルだが、一般に信じられている漢方の常識というその「一般」というのは「一般の人」という意味ではなく「専門家一般」という意味の含みが強い。

 本州の西端のど田舎に立地する辺鄙な場所で、かろうじて三十五年間潰れずに存続出来たのは、中医学や漢方医薬学の世界における「常と変」における変に極めて敏感であったからではないかと思っている。
 教科書的な中医学理論を逸脱しているわけではなく、基礎理論には極めて忠実であったと思うが、それだけに基礎理論を忠実に現実の様々な漢方相談で応用していくうちに、専門書籍にもあまり書かれてないような新たな発見がしばしば多かっただけのことである。

 たとえば、アトピー性皮膚炎に対する漢方薬の配合というか組み合わせというか、それが世間一般の方法とはかなり異なっていることは間違いない事実である。だから、世間一般の漢方薬を長期間服用して治らなかった人でも、多くは9割近くの寛解が得られるし、10人来られればまず9人は可能である。何でも百パーセントとは言えない。(本音では途中で断念する諦めの早い人さえなければほとんど全員が9割以上の寛解が望めると信じているが・・・

 基本処方や単味生薬の運用面においても多くの発見と応用方法を開発している。専門書にも書かれてない比較的ユニークな応用方法である。
 もっとも代表的な方剤が猪苓湯であり生薬では金銀花・枳殻・党参・竜骨・丹参など既に大分以前に「漢方の臨床」誌や「和漢薬」誌などの専門誌にそれぞれ比較的長文の拙論を発表している。

 最近も多くの症例から確認したのが、ある種の体質者に適応する茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)を応用した冷え性の改善効果である。もちろん必ず一定の弁証論治による確証を得て使用しなければ無意味である。
 茵蔯蒿湯適応者においては手足の冷えが即効的に改善された例は枚挙に暇がないのだが、このことを俄かに信じる専門家は少ないかもしれない。

 さらには驚くなかれ、昨今俄かに降って湧いたように騒がれているメタボリックシンドロームにおいては、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)という支離滅裂に近い方剤などよりも、弁証論治にもとづいて、この茵蔯蒿湯を主体に運用した他方剤との併用こそ、遥かに有効であることを認識する専門家は少ないだろう。

 さらに地竜においては・・・と、そんなにボロボロ秘伝を漏らしてなるものか(苦笑)。