それはそれで、人間の当然の「自然の情」であるから、いいことだと思うし、最もだと思う。
日頃から冷たい家族に、愚痴がないではなかった患者さんは、たまたま合成医薬品に弱かったものだから、難治性疾患はもとより、多くを漢方薬に頼っていた。
だいぶん、体力に自信を失うような状態になった頃には、漢方薬でも「高貴薬」と言われる牛黄や麝香が配合された漢方製剤を多用するようになっていた。
たしかにそれらで、暑い夏も過せたし、弱る体力を維持できていたし。
ところが、寿命というものだろうか・・・・・・。
患者さんには、大変頼りにされて、当方から出す漢方薬を信頼して下っていた。
いったん床に伏せるようになってからは、衰えが早かった。
もともとの肺に関連した難治性疾患には、一般西洋医学治療においてはもとより、漢方医学や中医学においても、高齢とともにどうしようもない部分も生じていた。
そんなところへ、滅多に帰ったことの無い、息子や娘達が帰ってくる。
「何をおたくは、飲ませてるんですか?」
人にものを尋ねるのに、こんな口上があるだろうか?
意外に多いパターンである。
(オマエタチは日頃、親をどうしていたんだ!と、こちらが怒鳴りつけてやりたいくらいだった。)
こちらは患者さんとは最期まで、とてもよい仲でおれたのに、娘や息子達は、自責の念をどこかに転嫁しておかなければ、気がたまらないのであろう。
そんなことは、先刻承知のこちらではあるが、一言(ひとこと)くらい、お世話になりました、くらいあっていいだろう。
こちらは、本心から涙を浮かべてお悔みしているんだぞ、と言いたい気分だった。
ラベル:身勝手な人達
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