大手の医療用漢方製造メーカーさんが、TVや新聞で、漢方のイメージチェンジ運動をされているとか?!
「漢方薬は医者に処方されることが正しい・・・これからの漢方、それは医療用のクスリです」
といった宣伝文句だそうだが、理想としては、まことに正しいし、ご尤もだと同感するものである。
しかしながら、現実は、医師の漢方で、信頼のおける造詣の深い先生方が、どれだけいらっしゃるというのだろうか?
小生の薬局では、患者さん達が、病院で漢方薬をだされたが、一向に効果がない。
病院でも漢方を出すくらいなら、専門家のところへ行くべきだ、と決心して参りました、とおっしゃって、来局される方が、後を絶たない。
もらっていた漢方処方を見ると、漢方専門医となられている先生方でも、本当に専門医さんですか、とお伺いしたいような方剤が出されているので、いつも驚いている。
日本全国には、漢方に造詣の深い医師の先生方がたくさんいらっしゃることは、漢方や中医学の専門雑誌・書籍類で、よく知っている。
ところが、地方都市になると、なかなかそういう先生方がおられるとは思えない。
正直言って、とんでもない方剤を出されているのを目撃することばかりが多く、日本の医療を担う先生方の漢方レベルの底上げが望まれるばかりである。
当方とて、身内に医師が多いので、あまり批判的なことは言いたくはないが、医療用漢方メーカーさんの勧める方剤を単に使用してるだけだ、という医師も多いと聞いている。
実際に身内の医師も、勤務先の病院で、顔を合わせるたびに、補中益気湯を使用するように、勧められているという。
「補中益気湯もう一本運動」でもあるんだろうね、きっと、と笑っていた。
第一、医療用漢方の医師に対するアドバイスが、ほとんど日本漢方というか、西洋医学化漢方というか、五行学説もなければ、弁証論治も無い世界だそうだ。
日本漢方特有の、パターン認識すら、あやしい、といわれる。
ナンなんだろう?
ラベル:漢方医
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