五苓散の折々の服用によって、むくみが軽減しているので、そのことをかかりつけ医に報告したところ、五苓散は、血中の水分を過剰に取り除いて、血が粘って血栓が生じやすくなるので、即刻中止するように勧告された。
検査上、何も根拠が無い話で、以前にも本ブログでご報告した一人暮らしの老婦人。
前回は、医師の勧告通りに、長年親しんだ漢方薬を、すべて中止したために、大事になりかけたので、今度の勧告も、例によって、例のごとし。長年のお付き合い、お近くの便利さから、結局は主治医を変えなかったものの、こと、漢方薬に関するアドバイスばかりは、信用なりませんとて。
体調がすこぶるよいのだから、自己責任で、五苓散は継続するし、血栓防止の意味で、冠心二号方に基づいて製造された漢方薬方剤も併用するなど、80歳を大分過ぎても元気なのは、漢方薬のお陰であると、医師の勧告に従おうとしない。
もう一例は、また聞きの話。
全身転移のがん患者さん。
腹水、胸水など貯留して苦しいので、耳学問で、医師に医療用の五苓散を所望し、服用したところ、劇的に効いて、大量の排尿とともに、全身の腹水・胸水などがほぼ消滅。
全身、至る所に転移巣があるとは言え、五苓散ひとつのお陰で、随分と身体が楽になった。
ところが、一月くらい継続中に、漢方に詳しいという医師が、
貴女には五苓散が強く効きすぎる、
と言われ、その言葉が気になって継続服用するのが不安になって中止した。
現在、ひどく再発して苦しんでいるが、当方の常連さんに相談したことで、当方にもこの話が伝わってきた。
常連さんは、その患者さんに、五苓散は決してコワい薬ではないから、続けなさいよ、とアドバイスしたが、医師の言葉が気になって、どうしても続ける気にはならないとのこと。
なお、その医師は、もっとよい漢方処方があるが、ここにはない、と言ったとか、又聞きなので、詳細はよく分からない。
あるいは、補気建中湯のことではおっしゃりたかったのか?
ともあれ、それだけの病状で、五苓散のような比較的穏やかな方剤で、劇的に効いてくれる間は、本当に幸せなことなのに、些か、医師の不用意な発言のように思えてならないのであった。
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