分かる範囲の詳細を聞くと、全身転移で、浮腫がひどい場合は、医療用でするなら、せいぜい、補中益気湯に五苓散を合わせて使用するのが、精一杯かも、というような話を、この常連さんに向かって、数ヶ月前に、小生自身が発言していたのを、この常連さんが耳学問で、その患者さんにアドバイスしていたのだそうだ。
それで、最初から、五苓散単独ではなく、補中益気湯と併用していたらしい。
大変いいことだ。
五苓散単独よりも、末期に近い状態の場合、補中益気湯との併用は、多少とも「補気建中湯」の方意に近づくのである。
それでも、補気建中湯ほどの効果が見られないことも多々あるのが、現実である。
幸い、この患者さんは、補中益気湯と五苓散の併用で、腹水などを含め、全身の浮腫が取れて楽だったのだから、そもそも、それを中止したのはまずかったのだか、医師の方から再開しようと、提案された、というのだから、また聞きながら、少しほっとした。
ただ、以前と同様に効果を発揮してくれることを祈るのみである。
このような重大な疾患では、タイミングを失すると、以前効いていた方剤でも、効果が激減することも珍しくないからである。
【関連する記事】
- 要件を満たさない古いパソコンをWindows11 24H2にアップグレードさせる..
- 常連さんやお馴染みさんの漢方相談を終わって遅くなった昼食時に・・・
- 明日4日(月)から、43年目を迎えた漢方相談の日々が延々と続く
- 年間を通じて2番目に販売量の多い漢方処方は
- 人サマザマ
- 延長戦の多い日々
- 直ぐには思い出せない人から紹介されて来られる新人さんが多い
- 良識が残っていた厚生労働省・・・漢方薬、伝統薬は電話販売容認へ!!!
- 個人的にやや不得意分野は精神症状が主体の漢方相談
- 保険適用外で豊富に存在する優れた漢方製剤(医薬品)
- より適切な漢方薬の配合を見つけるにはメールの交信力に左右される遠方の人たち
- 一人の漢方相談に数時間かけることもあるから延長戦の日々
- 鍼灸院の薬剤師さんの漢方常備処方の選定についてのお問合せ
- 風邪のこじれに踏んだり蹴ったりの漢方投与
- 漢方薬の服用量を減らしたために再発の兆候が出たとき
- 五苓散や猪苓湯の使用上の注意