かなり前のこととは言え、思い出すたびに独り赤面を禁じ得ない。
といっても副作用を出したとかの大問題ではなく(そんなドジは滅多なことではあり得ないと信じている)、せっかくしっかりした紹介者がありながら、結果的にピントのずれた漢方処方をお出ししていたために、ほとんど効果なく、地元の医療用漢方を出される先生の方剤で軽快したという、なんとも恥ずかしい経験2例である。
いずれも遠方からみえられた方であるが、いつも四逆散証を的確に把握されるある著名人の御紹介で来られた教師をされる女性に、躊躇なく四逆散製剤をお出ししていたところ、それほどしっかりした効果が出ず、しばらく遠方から通ってこられていたが、たまたま地元の主治医さんが、手帳みたいなものを調べながら処方してもらった医療用の「半夏厚朴湯」エキス製剤で、次第に気分もはれつつあるとの御報告があった。
次は、これは鬱病系の男性が、当方の漢方で四逆散と葛根湯加減方の各製剤で極めて順調に軽快したので、遠方の看護婦さんを連れて来られた。
一見しっかりした方であったが、ストレスにより過換気症候群あるいはパニック症候群などと言われているが、西洋医学治療で思わしくない。
そこで、柴胡加竜骨牡蠣湯エキス製剤とともに方剤はわすれたが2種類くらいお出ししていたが、それほどピンとは来ない。
直ぐに音信が途絶えたので、どうしたかな〜〜と少し心配していたところへ、紹介者の報告があり、あれから地元の医師により、甘麦大棗湯エキス製剤をもらったところ、現在かなり軽快しつつあるとのことだった。
どんないい方剤と思ってお出ししたところで、ピントがしっかり合っていないとこういうことになる。
当然、漢方薬は効かなければ意味がない。
意味がないが、的確にその方に適した方剤を見つけるのは、簡単そうでも、そう簡単ではないのだ。
ここで、言い訳になるが、若い頃、まだ小生が30歳になる前だったか、中央の漢方の大家の先生ところに通い詰めて、結局まったく改善せずに、当方の薬局に来られることで軽快していった方が何人もおられた。
(現在ももちろんだが、きっと逆のケースもあるはずだ。)
それにしても、いまだに慙愧の念に耐えない2例であった。
大晦日、最終日を迎えての懺悔としたい。
ラベル:憂鬱
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