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2006年03月29日

拡張型心筋症とアーチストの適不適問題と漢方薬2題

二人とも男性で、一人は確実な診断が下っている。

もう一人はカルテには「拡張型心筋症」と記されているが、確定診断ではないらしい。

当方ではそのお二人に漢方薬をお出しして比較的長い間の常連さんとなっている。

お二人とも発病のはじまりは心房細動からであった。

同じような頃に同じように、胸部の何とも言えない不快感などで、仕事も差し支え、確定診断が下った方は、入院治療により、仕事が復帰できるまでになった。

確定診断では無い方の男性は、病院から出された最初の薬が強すぎて、副作用が激しく服用できず、医師に不審を抱かれるので、牛黄類を中心とした漢方薬方剤を数種類組み合わせて、かなり楽になったが、同時に開業されている心臓専門の地元でも著名な先生になるべく早急にかかるようにすすめていた。

確定診断が下った方は、病院からジゴキシン・アーチスト・ワーファリンが投与されて副作用もなく順調だが、ハードな仕事が出来なくなったので是非とも、漢方薬でもバックアップしてほしいとのことで、弁証論治にもとづいて四逆散や日本では食品扱いされてしまう中薬的な製品を併用してもらって既に五年以上、まったく順調に経過している。

漢方薬を併用することによって心臓肥大もやや小さくなったと喜ばれているほどだ。

確定診断が下っていない方は、心臓専門の開業医さんにかかるようになってからも、同時に漢方薬を併用されていたが、順調な経過をたどり、途中から漢方薬を廃止しても、医院から出されるジゴキシンやアスピリンの併用レベルでまる5年間順調だった。

ところがハードな家業がこたえたのか、とうとう西洋医学治療だけでは胸部に水が溜まって息苦しくなり胃症状まで併発し、つらい日々は半年も続いたところで、たまらなくなって漢方薬を求めて久しぶりに来局された。

強い利尿剤が出されていたが、激しい利尿により全身倦怠感の繰り返しで、その割には胸部の改善が次第にみられなくなっていた。

五苓散加減方を中心に牛黄類の使用によって、自覚症状だけは急速に回復していった。
開業医の先生も症状が改善しだしたので、このまま経過を見ようとうことになっていたが、代診のやや若い医師の強い奨めに押されて、この患者さんに治療方針を変更すべく代診の先生が勤務するやや大きな病院に入院してアーチストを試すこととなった。

わざわザ入院したのもこのアーチストを安全に使用し増量するためである。

退院後も何の問題もなく過ごしていたが、しばらくしてアーチストを服用する都度、右背中の疼痛を感じるようになり、肝機能検査も総ビリルビン値とγ-GTPなどが急上昇しはじめた。のみならずアーチストの明らかな改善効果は見られないので、一定期間のあと20日は服用すべきだとの医師に不審を抱かれて、来られた。

そこまでの副作用を味わいながらもまだ20日も続けなければならないのだろうか、医師に苦しい症状を訴えても笑って「大したことないですよ」というばかりだという。

開業医の先生自身、この治療方法に反対しながらも、若い医師に押し切られた形であったから代診で手伝ってもらっている義理でもあるのだろうかと複雑な事情を詮索し始める患者さんである。

拡張型心筋症と確定診断が下っている方には、問題の副作用も起こらずに5年以上もまったく順調に推移しているが、この方の場合は明らかに副作用が生じ始めているにもかかわらず、(検査上、アーチストの効果はまだまったく見られてないと言われ、)あと20日は継続服用してもらわないことには有効か無効かの判定は不可能だから少々の副作用はがまんして服用しなさい、ということらしい。

この患者さん御自身は、相当に疑心暗鬼となられているだけに、即刻、前医に相談に行くように進言するも、前医は現在の主治医にかなり遠慮されて、あちらにまかせたのだからと拒絶気味であるという。

本当に悩ましい問題が、医療分野にはゴロゴロしている。

とにかく、ご本人はこれ以上、アーチストを継続するに耐えないと言うのであるが、このような大きな難問の御相談は、比較的長い準常連さんだけに、親身になりすぎて、こちらまで憂鬱になってしまうのであった。


posted by ヒゲジジイ at 20:57| 山口 ☔| 医薬品の副作用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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