仕事中にかかるお電話だから、店頭での本業の時間を他の医療機関で出された漢方薬のセカンドオピニオン?の為に奪われるということである。
多くは病名漢方、あるいはエビデンス漢方と呼ぶべきか、その弊害が生じた場合の御相談が多く、次いで処方された漢方薬の効能を訊ねる患者さん達も多い。
当方としては原則として、出された医療機関に訊ねるべきで、目的あって処方された筈であるから迂闊にお答えすることは出来ない立場である、ということを理解してもらい、なるべく介入することを避けている。
但し、明らかに間違った投与であると断定できる場合は、薬剤師としての立場から意見を述べ、そのことを主治医に伝えるようにアドバイスすることもある。
しかしながら、このような当方にとっては本業の時間を奪われる他の医療機関のセカンドオピニオン的なお問合せには、実のところ、大いに困っている。
お問合せされる多くの患者さんたちは、処方された医療機関にお問合せすべきところを、そちらには大いに遠慮されておられるにも関わらず、保険漢方とは無関係な当方のような漢方専門薬局に意見を求めて来られるのである。
お気軽に訊かれるお気持ちも分からぬでもないが、他の医療機関で目的あって出された筈の漢方薬を、僭越にも吟味することのデリケートな立場、しかも本業の時間を奪われるありがた迷惑な依頼。
どうやってお断りするかが、何十年来の悩みの種である。
明らかに間違った投与であると断言できるケースもかなり多いだけに、その場合に、市井の一薬剤師として、どのようなアドバイスを行うべきか、最近では病院から出された漢方薬についての御相談のお電話の場合は、具体的な内容をお聞きする前に、
「処方された病院あるいは診療所にお訊ね下さい、目的あって処方された筈ですから、当方の立場もありますので、申し訳ありませんが・・・・・」
という言い訳を述べて逃げを打たざるを得ないほど頻繁なのである。
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