病院では投薬は一切なかったので、金の玉と噂される牛黄製剤を人に紹介されて熱心に服用するも、またぞろ原因不明の硬膜下出血で再度入院手術するはめになった人のお話。
こんなことを何度も繰り返していては、命を落としかねないと薬嫌いのご本人も、身内の方にご紹介されて当方の薬局に御相談に見えた。
当方では金の玉と称される方剤類には、当帰・川芎など、貴方には不要な配合が多いので、他のゴオウ製剤を中心に、さらに適切な漢方処方を併用されることをアドバイス。
その後は二度と出血することなく、既に一年半以上が経過したが、さまざまに随伴していたと思われる諸症状も消失し、完全に以前の元気を取り戻されている。
しかしながら、経費的には相当な高額なものになっており、それでもご本人のみならず、その身内の人達からも深く感謝されることは薬局冥利につきるが、隣近所の人達から、どうしてそんなに回復できたのか、昔よりも元気になったみたいだがと問われることが頻繁で、
「漢方薬でね」とはこたえても、決して金額のことは口にしないそうである。
当方に対する皮肉で言われているのではなく、金額を言うときっと田舎のことだから嫉妬されて、どんなイヤミを言われるか知れやしないと大笑いされるのであった。
たしかに、病気の内容によっては、思い切った高額のいわゆる「高貴薬」を使用してもらわないことには解決できないことが往々にしてあるものなのである。
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