このためにアジア世界では勿論のこと、欧米における中国式の漢方にもどんどん遅れを取るのではないかと危惧されるところであるが、実際には日本東洋医学界の地方部会などでは、しっかりとした中医学の学習講座が組まれており、長期的に継続されている。
参加経費はかなりな出費になるが、世間の表に現れないところで、一部の奇特な医師免許を持たれる先生方が日本全国に次第に増えつつあることは間違いのない事実である。つまり中医基礎理論を学ばれ、製薬メーカー主導ではない、真の実力を備えた先生方が次第に増えていくのは間違いないことだろう。
この調子で行けば、あと10〜20年もすれば真に効果のある漢方治療がどのようなものか、中医学理論に裏打ちされた実力派の先生方が増え続け、現在の保険適応範囲内の処方では、あまりにも方剤が不足していることが再認識されることだろう。