年齢 : 40歳〜49歳
簡単なご住所 : 関西地方
御意見や御質問をどうぞ : お尋ねしたいこと:「川芎、当帰」の作用について
9月に子宮筋腫での東洋医学科の受診は有効かどうかの質問をさせていただいた者です。その節は、ありがとうございました。その後、●●●●病院の東洋医学科を受診し、煎じ薬の処方を受けています。
1日「延胡索2グラム、桂皮3グラム、紅花1グラム、牛膝2グラム、芍薬3グラム、川芎3グラム、当帰5グラム、桃仁5グラム、牡丹皮3グラム」というものです。
体調としては、元々、経血過多やひどい月経痛等の困った症状がなかったのでいいとも悪いとも言いがたいのですが、
良「多少はあった月経痛がさらに軽くなった」、
悪「月経前に火照るような感じがしてつらい、月経前症候群のようなものは増したような気がする」という感じでしょうか。
月1回の定期受診でも、上記のようなことは申し上げていますが、おおよそ元気なので(この処方は合わない人もいるとのことで、食欲の有無は必ず尋ねられます)、「では同じ処方で」ということになっています(筋腫の状態については検査を受けないとわからないので、来年の早いうちにでも受けて、大きくなり続けているようなら、漢方治療を断念して手術を受けることもあり得るとは思っています)。
それで、貴ブログを拝見していて、「近況報告」12月9日付において、「油断がならない川芎や当帰」とありました。川芎や当帰は、何か副作用があるのでしょうか?
(一般向けの漢方治療や漢方薬についての書籍は何冊かもっておりまして、わたしの処方は桂枝ブクリョウ丸からブクリョウを抜いた処方に近いですが、それには副作用として、「発疹・かゆみ」「肝機能障害」とあります。そういうのは、今のところ、現れていないと思います。)
お忙しいところ申し訳ありません。急ぎませんので、お手すきのおりがございましたら、ご教示いただければ幸いです。
お返事メール:現在、貴女が服用されている方剤の処方名は「折衝飲(せっしょういん)」です。子宮筋腫や内膜症にもしばしば応用される処方ですが、筋腫が大きい場合などでは、もっと強力な薬味の追加が必要なこともあります。
この折衝飲に似た方剤で、川芎(センキュウ)と紅花を除いて、そのかわりに木香(もっこう)を加えたのが牛膝散(ごしつさん)と呼んで、胃にもやさしく副作用の出にくい方剤です。
ところで、ご質問の「油断がならない川芎や当帰」については、あくまでアトピー性皮膚炎の話です。
アトピー性皮膚炎の人は、うかつに使用すると却って悪化する場合があるからあのように書いたので、他の疾患ではそれほど神経を使う必要はないのです。
ただし貴女の場合も、
「月経前に火照るような感じがしてつらい、月経前症候群のようなものは増したような気がする」
と書かれていることから考えると、川芎(センキュウ)や桂枝、当帰など温熱性の薬味がやや応えているのば明らかだと思います。もっとバランスの良い配合をする必要があると思います。
要するに貴女にとってやや温めすぎの方剤となっているので川芎(せんきゅう)の入らない牛膝散に変えて四逆散を加えるとか、主方剤を腸癰湯(ちょうようとう)に変えるとか、桂枝茯苓丸に地竜を加えるとか、弁証を繰り返し行って、様々な微調整をしてもらえるのが真の漢方専門家だと思います。
この処方は合わない人がいるのは、それを見分けて使用するのが専門家の役目ですから、合わない場合こそ微調整することが必要で、合成医薬品のような強烈な副作用が出ることは殆どあり得ないので、ピントが合うまで微調整してもらえばよいことなのですが・・・それをやってもらえないのであれば、微調整してもらえないことのほうが問題です。
【関連する記事】