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2008年06月10日

漢方薬局の死活問題━良心的な薬局ほど危ない

 良心的な漢方薬局ほど危ない。廃業の危機である。仁術ばかりにこだわっていると潰れる。解決策はあるのかっ?

 西洋医学治療のみならず保険漢方で治らない。そのような人が集まるのが漢方薬局である。
 適切な漢方処方を見つけてあげるのが、どれほどの苦労を強いられる作業であるかは、素人さんにはなかなか理解してもらえないだろう。

 何度も通ってもらって、ようやく互いの苦労が実って適切な漢方薬が見つかった。たまたまそれが保険漢方にも採用されている方剤と同名処方であったり、あるいはそうではなくてもネットで安売りされている製品だったりすると悲劇である(苦笑。
 たとえ同名処方であっても、実際には品質の優劣が激しいので製品が変われば同様な効果を発揮するとは限らない。白朮を蒼朮に改悪するような杜撰な製剤が多いからである。
 ところがまったく同じメーカーの製剤が安売りされていた場合に起こり得る問題である。

 冷たい現代社会では、恩を仇で返すなど朝飯前。あれだけ喜ばれていた人が、突然無音となる。
 ネットでお宅よりも安く販売している店があったので心苦しい限りだが・・・と申し出てくれる患者さんは現代社会では最高に義理堅い人と祝福すべきであろう。「同じ価格にしてもらえれば不義理をせずに済むのだが・・・」と申し入れる人こそ幸いなれ。

 ところが多くはプッツリと音信が途絶える。かくして真面目な漢方薬局ほど先が危ない。
 初期の弁証論治の苦労を経て、適切な方剤が見つかって以後しばらく続けてもらうことによってようやく利益が出て漢方薬局経営が成り立つのである。

 だから販売する漢方処方を無表示で売る専門薬局が絶えないのは生活がかかっているからである。効果が出だした途端に安売りネットに浚われては、何のための専門知識かと馬鹿馬鹿しくなる。
 夜も寝ずに勉学に励み、書籍代にも相当つぎ込んだのに、ありがとうのお礼も無いまま価格競争の波に浚われて、専門知識もなにもあったもんじゃない。

 仄聞するところによると、上記のようなケースがあまりに続くので勉強する意欲を完全に喪失し、販売戦略の勉強にシフトした薬局さんもあるという。

 筆者の薬局でも同様なことが折々に発生していたが、世間に負けない価格設定にしたのと、うっかり負けている価格があると親切な患者さんが教えてくれるので、直ぐに修正する。
 だから不義理をされる人もうんと減ったが、不義理な人たちこそ治療方剤というのは固定できるとは限らないので、途中で効果が停滞したために、他所では臨機応変の配合変化をしてもらえないからと頭を掻きかき、バツ悪そうに戻って来る(苦笑。

 当然、憂鬱な薬剤師の薬局では、無表示医薬品などあろうはずがない。


医薬品のネット通販について 医薬品のネット通販は全面禁止になるという噂は絶えないのだが、実際にどうなのかその筋にお伺いをたてたが、拍子抜けである。

 以前は内部通達で医薬品のネットによるお誘い販売は危険だから止めるようにと、あれほど内部通達によって警告されていたのが、ココ一年以上、ぱったりと止んでいるので不思議に思い、その筋にお伺いを立てたのである。

 ところが、あまりに拍子抜けの曖昧模糊とした回答で判然とせず、要領を得ない。
 ということはやってもよいということなら、当方もヤル気になれば明日からでも漢方製剤類の写真を付したお誘い販売サイトをオープン出来るが、やっても良いだろうか? 口頭で許可を求めたのである。
 
 ところが、しないほうがよいというお返事である。
 ではどうしろというのだろう?
 ネット上では医薬品の販売サイトは乱立しているというのに、当方にはしない方がよいと言われるのはなぜか?

 実に訳の分からん曖昧模糊とした薬事行政ではないだろうか???
ラベル:漢方薬 憂鬱
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posted by ヒゲジジイ at 21:17| 山口 ☔| ちょっと憂鬱な話し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする