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2008年07月06日

五苓散が身体の水分を補って潤すと説明される医師たち

 一例は明らかに誤った投与で、一例は投与に間違いはないが解釈が間違っている例。

 舌質紅で無苔、舌がヒリヒリして潤わず違和感が激しい。八仙丸と黄連解毒湯、滋陰降下湯でかなり寛解していたが、完全ではないので人に紹介されて大学病院の口腔外科の診察を受けた。
 漢方を専門とされる医師の診断で、漢方薬で四ヶ月で治ると断言され、五苓散エキスと神経症もあるということで半夏厚朴湯が処方された。

 その際の説明が五苓散は体内の水分を補って口の渇きを治す薬だと説明された。
 服用後、咽喉まで乾燥して咳き込むようになった。
 以前服用していた自費の漢方薬の方こそ明らかに効果があったことを悟り、五苓散と半夏厚朴湯を中止し、残っていた前記の漢方薬類を再開したところ、次第に軽くなった。

 もう一人は、咽喉が渇いて頭痛がするのでかかりつけの医師に相談したら、同じく医療用の五苓散が投与された。
 五苓散の服用で頭痛はやや緩和したが、咽喉が腫れぼったく通りが悪いので、以前、薬局のアドバイスで購入していた半夏厚朴湯エキスが手元にあったので、併用したところ軽くなった。

 かかりつけの医師にそのことを話すと、五苓散で体の水分を潤しているのに、半夏厚朴湯で乾かすというのは不思議だと言われ、プラセボ効果じゃないの?と言われたという。
 しかしながら麦門冬湯を服用すると却って咽喉の腫れぼったさはとれなかったので、この服用であっていると思うのだが、という問い合わせである。

 前者では明らかに肺腎陰虚体質者の舌炎?であるのに、燥性の強い五苓散や半夏厚朴湯の投与は明らかに間違っている。
 後者は、水湿内停による諸症状であるから、五苓散の投与は偶然正解であったが、「五苓散が体の水分を潤す」という説明は明らかに間違っている。

 正しくは五苓散の一般向けの説明としては、体内における水分の偏在を調節して、余分な湿邪は尿管を通じて体外に排出させる、とでも説明すべきであろう。
 また、半夏厚朴湯が効果を示すことは何の不思議でもなく、咽喉付近における浮腫性の水分停滞を疎通させたからに他ならない。

 昨今、各医療機関から盛んに保険漢方が投与されるようになったが、乱暴な投与や説明が目立つのでハラハラさせられる。
 昨日も、咽喉付近の明らかな熱性炎症が見られる患者さんに桂枝湯エキスが投与された人があり、服用後に却って発熱したというので相談を受けた。

 このまま保険漢方が盛んになると、ますます我が漢方薬局は下請け作業というよりも、各医療機関における漢方薬の誤投与の尻拭いと言うべきか、老体を鞭打たれるようにますます仕事が増えるのではないかと危惧しているところである。
ラベル:漢方薬
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posted by ヒゲジジイ at 21:33| 山口 ☔| 漢方薬に無知な医師達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする