大きな声では言えないことだが、保険漢方(主としてツムラ漢方)のエキス製剤には処方数に限りがあること以上に問題なのは製剤の品質の問題(正しい生薬が使用されてないなど)と同時に、これに負けず劣らず処方される内容事体の問題も大き過ぎるように思われる。
基本的な弁証論治はおろか、方証相対という日本漢方の基本すら守られてないケースばかりが目に付く。あれがエビデンス漢方とでも言うのだろうか?
それはともかく、かくして自費の漢方薬が高額の出費を強いられるからという誤解から、病状によっては保険漢方で治らず、むしろ安価な保険適用外の漢方製剤で容易に寛解してしまうケースはザラにある。
もちろん病状によっては、かなり高額な配合を必要とするケースもあるが、保険漢方に拘り続けて悪化するよりも、一定の経費がかかっても寛解する方が遥かにマシだろう。
実際のところ、人間様は長く生きてもなかなか百歳を超えにくいのだから、頑固な疾患ともなれば宿痾となって一生付き纏っても止むを得ないところを、かなりな程度寛解できれば、残る人生も明るくなるに違いない。
保険漢方も含めてあらゆる治療方法を試みて治らず、ようやく自費の漢方でかなりな程度寛解できたことを喜ばれるのを通り越して、その病気が百パーセント治る、文字通り「完治あるいは根治」するものと誤解している人が多いのは驚く。
宿痾となっていた疾患が、そうそう簡単に根治するはずも無く、物のたとえで言えば8〜9割がた寛解すれば御の字で、その状態でいかに再燃させることなく安楽な人生を送れるかどうかが重要なはずである。
皆が期待するように長期間続いた痼疾が百パーセント根治するものなら、人間様は永久に死なない計算となるではないかっ!?
ともあれ、これら様々な宿痾の寛解に大いに役立ちサポートするのが、バリエーションの豊富な保険適用外の漢方製剤群であるが、それらを折々にブログで紹介していたら、目ざとい同業者が(少し前までは天下の厚生労働省がネットによるお誘い販売は即刻止める様にあれほど内部通達を出し続けていたはずが、昨今は何が起きたか静まっている)さっそくネット上でお誘い販売が目立つようになるので興ざめしてしまい、公表する気が大いに殺がれてしまった(苦笑。
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