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2009年09月01日

防已黄耆湯と防風通聖散を処方された女性からの御質問

    フグをゲットして遁走するウミネコ
    フグをゲットして遁走するウミネコ posted by (C)ヒゲジジイ

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年齢 : 30歳〜39歳の女性
御職業 : 会社員
簡単なご住所:関東地方
御意見や御質問をどうぞ : はじめて質問させていただきます。

 以前も質問にありましたが、(若干内容は異なります)私は現在、防已黄耆湯と防風通聖散を処方されております。

 証としては、色黒。汗をかきやすい、けれども、ひどいむくみで、飲む量に比べて、尿の量は少なめ、便秘です。お腹周りの脂肪もあります。

 どちらかといえば、防風通聖散よりなのかな、とも思いますが、むくみや尿の排出が悪いところあたりは、防已黄耆湯かとも思いますが、こちらは同時に服用しても大丈夫なのでしょうか?

 どちらかというと正反対の漢方のような気がして、このままでよいのか、と思います。

 防風通聖散を服用しだした頃は、便秘も解消され、トイレの回数も増えたのですが、一年ほど経過して、また便秘気味、むくみもひどくなったら、防已黄耆湯を処方され、一時はむくみが解消されたような気もしましたが、最近では、やはりそれぞれの症状が元に戻っているような気がします。

 医師に相談しても「飲み続けてみて」というだけなので、これでよいのかと思います。
 本来は医師にちゃんと聞くべきなのでしょうが、大丈夫というだけなので、漢方に詳しい御師にお伺いできれば、と思いました。

 どうぞよろしくお願いいたします。

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    フグをゲットして遁走するウミネコ posted by (C)ヒゲジジイ

御返事メール:
>防風通聖散を服用しだした頃は、便秘も解消され、トイレの回数も増えたのですが、一年ほど経過して、また便秘気味、むくみもひどくなった

とのことですが、幸いにもそこまで効果が出た時期があったのでしたら、その後も規定通りの服用分量を維持・継続されたのでしょうか?

 服用量が次第に減って1日の服用量が減ったために効果が激減したという例は、他の漢方薬でもしばしば見られることなのですが・・・しっかり服用量を守られた上で、次第に効果が無くなったというのでしたら、配合の調整が必要になるのは当然の帰結です。

 防風通聖散には便秘に対する大黄や芒硝が含まれていますので、便秘症くらいは改善することが多い方剤です。
 但し、この方剤で逆に浮腫を生じた人もいるくらいですから、貴女の場合はむくみが一時取れて幸運だったといえます。

 汗かき体質を目標に防已黄耆湯を追加されたということですが、間違った合成薬を服用した時のような重大な副作用が生じることはありませんが、甘草という成分に敏感な人は、両者の処方に含まれており、甘草の服用量が二倍に増えるために却って浮腫や血圧上昇が生じる可能性なきにしもあらずです。

 このような配合は、世の中ではしばしば行われるもので、さらに大柴胡湯まで加える配合も折々に行われています。脂肪太りの防風通聖散体質と、水太りの防已黄耆湯体質と、筋肉太りの大柴胡湯体質が合併している人は珍しくないからです。
 小生自身も日本流の漢方を信奉していた今から二十五年以前の時代には、そこまでの配合(防風通聖散・防已黄耆湯・大柴胡湯の三種類の併用)を服用してもらったこともありますが、昨今では防風通聖散は当方の薬局には存在しません。

 ともあれ、体質改善には数年以上かかることは珍しくないので、防風通聖散に防已黄耆湯の併用は、やっていけないという規則はないので、主治医が自信をもって処方されたのなら、信頼してしばらく続けてみるのもアリかもしれません。
 但し、思わぬ不快症状(逆に浮腫がひどくなったり血圧が上昇するなど)が出てくるようでしたら、即刻中止され、このような配合は貴女に逆効果で継続服用してはならないということになります。

 最後に、上記に記したような「脂肪太りの防風通聖散体質と、水太りの防已黄耆湯体質と、筋肉太りの大柴胡湯体質」というのが日本漢方の通り相場ですが、実際にこれらを使用されてキャッチコピーで宣伝されるほど、そうそううまくいくとは限りません
 水太りの防已黄耆湯が噛み合った時は、凄まじく減量できた人がタマにはありましたが・・・。

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    フグをゲットして遁走するウミネコ posted by (C)ヒゲジジイ

おり返し頂いたメール:早々に、またご丁寧に分かりやすい回答、ありがとうございます。

 残念なところ、お医者様は「こういうお薬があると聞いたのですが、いかがでしょう?」と聞くと、「じゃぁ試してみましょう」と、実証の確認も何もなく(ついでに説明もなく)処方してくださるもので・・・。

 むくみ自体は朝33センチのふくらはぎが、デスクワークですが、夕方には37センチになるほどで、帰りに自転車をこいでも思うように足が曲がらない始末ですが、これでも以前よりは楽にはなっているので、両方服用しても問題がないとのことですので、もう少し試してみようかと思います。

 本当にありがとうございました。

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ラベル:漢方薬
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