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アトピー性皮膚炎ならこうもうまくいかないだろうが、一ヶ月前から湿疹が治らないと言って来られた女性の場合では、10日分の茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)を渡しておいたら、薬が切れた頃になってもやって来ないので、この女性の母親の時と同様、治ったらそのまま無音のままかっ、と記憶の彼方に飛んで、ほとんど忘れかけた頃になって、母親やおばあちゃんまで連れてやって来られた。
一ヶ月は経過していたが、漢方薬が無くなる頃には完全に治っていたが、薬がなくなってしばらくするとまた少しずつ再発して来たのでやって来たということだった。
というより今回の目的はむしろ長年皮膚病に悩むおばあちゃんの漢方薬をお願いしたいとのことだった。
ともあれ、急性湿疹だから僅か1処方で著効が出ているが、アトピー性皮膚炎であれば滅多なことではこのような著効は得られない。というより当方に来られるアトピーの人達は年季が入って重症者ばかりだから、そのように感じるのかもしれない。
といっても、この女性の急性湿疹も、食事やお菓子類や飲酒などの不摂生の問題が直結しているように思われたので、徹底的な食事制限を行ってもらったので、その相乗効果が得られたものと思われる。
だからいつもならこのようなケースではカルシウム剤も併用してもらうのが通常だが、そのときは説明が面倒で省略してしまった記憶がある(苦笑。
もしも茵蔯蒿湯1処方で効果が弱ければ、黄連解毒湯などの清熱解毒剤やカルシウム剤も追加する予定であることを予告していたのだが、その必要もなかったのだった。

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