桂枝茯苓丸(基本方剤の中医学考察)たまには、応援のクリックお願いします!⇒
【原方名】 桂枝茯苓丸(《金匱要略》)
【処方構成】 桂枝・茯苓・牡丹皮・桃仁・芍薬
【特徴】「活血化瘀・消散癥塊」を効能とし、「化瘀」作用を主体とした血分病を治療する「理血」剤の一種である。
【主治】 @婦人で下腹部に癥塊(子宮筋腫などの腫塊)があり、圧痛・腹部のひきつりがあるもの。
A無月経で腹痛するもの。
B産後の悪露が続き、腹痛と圧痛があるもの。
【分析】 癥塊の形成には、気・血・痰・湿と密接な関係がある。人体内の気・血・津液は正常状態であればスム−ズに運行しているが、各種の原因によって気・血・津液の運行が障碍されると、
気機不利となれば気滞を呈し、
血行不調となれば血瘀を呈し、
津液が凝滞すると痰湿を呈する。
これらの気滞・血瘀・痰凝・湿阻などの病理変化が、癥塊を形成する原因である。
桂枝茯苓丸が主治する癥塊は、血瘀と痰湿の阻滞によるものである。(痰瘀交阻)
【病機】 血瘀痰滞証。
【治法】 活血化瘀・消散癥塊法
【応用】 子宮筋腫などの癥塊を形成する病など上記の主治にこだわらず、血瘀と痰湿が阻滞する病機(証候)であることを条件に各科に応用され、治療効果の点でも極めて実績が高い方剤である。
[参考にさせて頂いた文献]
●「中医方剤与治法」(一九八四年 四川科学技術出版社発行)
●「中医病機治法学」陳潮祖著(一九八八年 四川科学技術出版社発行)
ラベル:桂枝茯苓丸
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