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2018年12月14日

平胃散(基本方剤の中医学考察)

   平胃散(基本方剤の中医学考察)

 【原方名】 平胃散(《和剤局方》)

【処方構成】 蒼朮 厚朴 陳皮 生姜 大棗 甘草

【方剤の特徴】 燥湿運脾・行気和胃を効能とすることから湯液を「燥湿理気湯」というネーミングも可能であろう。

【主治】外湿の侵襲・生冷物の過食・油膩物の過食などにより湿困脾胃・中焦気滞を生じたもので、胃📠部や腹部の脹満・げっぷ・むねやけ・食欲不振・悪心・嘔吐・泥状便・倦怠感・横になりたがる・体が重だるく痛む・舌苔は白厚膩・脉は緩など。

【方意】 外湿の侵襲・生冷物の過食・油膩物の過食などにより脾が健運できなくなり、湿濁が中焦気機を阻滞し、清濁逆乱を生じたものであるから、治法は燥湿運脾・行気和胃である。
 蒼朮は苦温辛燥で、燥湿運脾の効があり、本方の主薬である。補薬の厚朴は苦辛温で行気化湿・消脹除満する。
 佐薬の陳皮は辛苦温で理気和胃・燥湿健脾する。蒼朮・厚朴・陳皮の三薬は芳香性があり、和胃醒脾して昇降を調節する作用がある。
 甘草は脾胃を補益すると同時に諸薬を調和し、生姜・大棗は益胃和中し、これらは使薬である。
 以上の諸薬により、湿濁を除き中焦気機を調節するため、脾は健運し胃気は和降する。

【病機】湿困脾胃・中焦気滞

【治法】燥湿運脾・行気和胃法

【応用】 本方は燥湿運脾・行気和胃を効能とした胃腸疾患に対する常用方剤で、胃脘部や腹部の脹満・食欲不振・舌苔が白厚膩・脉は緩などが弁証ポイントである。
 急性胃腸炎・慢性胃腸炎・胃腸神経症・慢性胃炎などで湿困脾胃・中焦気滞の病証に広く用いられる。
 過食による食滞が顕著な場合は神麹・麦芽・山梔子を加えた「加味平胃散」を用い、湿鬱化熱して口苦があり、舌苔が黄膩などを生じる場合では、本方に黄連解毒湯の適量を合方する。

〔参考にさせて頂いた文献〕
  ●「中医治法与方剤」(人民衛生出版)
  ●「中医病機治法学」(四川科技出版)
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ラベル:平胃散
posted by ヒゲジジイ at 07:29| 山口 ☁| 基本方剤の考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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