出版関係のネット通販でも、いまだに案内がよく出ていますが・・・。
定価は1,890円でしたが、もう古書店でしか入手できないようです。
意外に高く取り引きされているみたいです。
序章だけが書き下ろしで、その他の本章はすべて各誌に発表したものを集めて、社長さんにすべての編集・校正などをまかっせっきりで、出版当時は仕事外ではチヌ釣りに夢中になっていて、ずいぶんご迷惑をおかけしたものでした!
出版と同時に頂いた印税は、専門書籍を購入するどころか、すべて当時の最高級品の釣竿を何本購入したことでしょう。
お蔭様で、その釣竿たちもすべて今なお現役で余暇に大活躍しています!
昨今の出版界では、2〜3年も経てば品切れや絶版になる時代だというのに、滅多に売れそうもない拙著を現在に至るまで、大事に大事に販売して下さるとは、いまさらながら感謝・感激・雨・霰といったところです。
ともあれ、どちらかといえば専門家向けの拙著、しかも「新人」の専門家向けといったところでしょうか。村田恭介が漢方に入門して以後の約十年間の論文・経験雑録・随筆というわけですが、書き下ろしの序章には、いまでも大いなる思い入れがあり、V章「中草薬への考察―中草薬漫談―」は、『和漢薬』誌連載当時には、かなりな反響がありましたが、村田自身が今読み直してみも、多大な参考価値があり、どんどん中医薬学に傾斜していった当時の情熱がうかがえますが、しかも、内容的にもそれほど古びてないようです。
漢方に入門した当初は、日本古方派漢方の吉益東洞流からはじまり、方証相対論を窮(きわ)めんと、やっきになっていましたが、早くも日本漢方における虚実の概念に疑問を抱き始めた内容が、本書の30頁目に書かれています。
いまから30年も前の記録です。ヘンテコリンな日本語文から始まりますが、そのまま再録してみます。
『胆石症に大柴胡湯
胆石症の多くは大柴胡湯の応じる場合が殆どであるということは常識的なことになっている。日頃の健康時の体質傾向的な虚証、実証にはあまり関係しないことも事実であり、実際のところは、胆石症や胆嚢炎に限らず、一見卑弱に見える痩せ型で、胃下垂、内臓下垂型と思われる人にも、季肋部や心下部のみが特別に充実しているのを案外見かけるものである。
そんな現実を考えると、一般に言われるところの、大柴胡湯は実証向きで、小柴胡湯は虚実中間、柴胡桂枝乾姜湯は虚証向きである、などという言い方は、私は嫌いなのである。こうい見方、言い方は全体的な、総合的で、しかも却って漠然としたもので、実地に役立つのは胸脇部や心下部の部分的な充実度が重要なのである。したがって身体各部の部分的な虚実を云々するならともかく、漠然と、実証だ、虚証だというのは、そのことにくらべればあまり意味のあることとも思えない。』
三十年も前、しかも日本古方派漢方を信奉していたはずの頃から、この強い批判精神はあらためて驚いているところですが、学問的にも臨床的にも、まったく理にかなった分析であることは間違いないのです。
手前味噌ながら、説得力のある論説であります。
こういうところが、ロングランで販売してもらえる所以なのかなあ〜と、納得しているところです。
ラベル:求道と創造の漢方
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