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2018年10月27日

十数年前にどこかで書いた「瞑眩(めんげん)や好転反応」に対する疑義

瞑眩(めんげん)や好転反応に対する疑義
村田漢方堂薬局 村田恭介

 日本漢方では素晴らしいことのように言われる瞑眩(めんげん)だが、とりわけ健康食品などでいわれる「好転反応」の多くは、あるいはほとんどは、副作用なのではないかと疑っている。

 漢方薬(漢方処方)で生じるといわれる「めんげん」も、実際にあるには確かに存在するのであろうが、小生の薬局では服用後に明らかな不快反応が出れば、それは合わなかったものとして、中止してもらうことになる。疑わしきは罰するという考えである。

 但し、軽度の不快感の場合は、先入観や薬に対する単なる不安から、ということもあるので、まず、量を減らして様子を見てもらう。

 いずれにせよ、三十数年間の経験から言えることは、不快反応がでた場合、それがめんげんか、あるいは副作用か、容易に判断できるものではない。

 但し、日本古方派では、古人も言い、現代でもとてもよいことのように賞賛される雰囲気すらあるので、実際には「めんげん」といわれる好転反応は、漢方処方については、実際に存在するのであろう。
その場合は、多くは、はじめから薬用量が多かった時に生じているように思われる。

 ただ、先にも述べたように、副作用かめんげんかは、たとえ専門家でも区別は付きにくいはずである。

 繰り返すと、健康食品などで言われる「好転反応」の多くは先にも述べたように、多くが副作用で、体質に合っていない反応のようであり、、これは、漢方薬の場合も同様ではないか、ということである。

 瞑眩(めんげん)や好転反応を素晴らしいことのように主張する風潮は、販売する側の手前味噌ではないかと疑っているほどである。

 とりわけ健康食品関係では、素人が製造して素人に販売しているケースが多いだけに、いよいよ不安である。

【参考文献】
1.10月08日「めんげん」「好転反応」についての御質問
2.本物の瞑眩の実例⇒ 漢方薬に寄る瞑眩(めんげん)⇒好転反応は超稀にはあるっ!
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2014年11月16日

十味敗毒湯に瞑眩(めんげん)⇒好転反応はあるのか?

2009年11月16日のボクチン(5歳)
2009年11月16日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:40〜49歳の女性
【 地 域 】:東海
【 お問い合せ内容 】:はじめまして。お忙しいところ失礼致します。
 ●●と申します。質問・相談があり、メールをさせて頂きました。
 お時間のあるときで結構です、お返事を頂けると幸いです。

 甲状腺腫と湿疹(アトピーではなく、更年期になり肘から手首と膝から足首にかけて痒みのある)を患い、ある漢方薬局にて「十味敗毒湯」を処方され飲み始めています。

 飲み始めてすぐに風邪の症状のようなだるさ、頭痛があり、口回りにじんましんのようなものがでました。 風邪のときは症状が強くなると聞いていたので、風邪をひいたのと同時に飲み始めてしまったのかも、と思い、一週間ほどあけて体調も良い時にもう一度飲んでみました。

 やはり、口回り(ほうれい線のあたり)が赤く、熱を持ち、痒く、顔全体的に乾燥した感じと体のだるさもなんとなくでました。

 処方した漢方薬局へ相談しましたが、
 私の舌の写真からはむくみがとれ、良くなっている。めんげんが出やすい漢方だから様子をみながら続けてみては・・とのことでしたが、続けてみても大丈夫でしょうか?(一か月分2万円ほど購入しました)

 また、めんげんと身体に合わなくて副作用がでるのとの区別がわからず、めんげんなら、出ている症状も乗り越えれば良くなると思い、続けてみたいと思っております。

 お忙しい中、恐縮ですがどうぞよろしくお願いいたします。

2009年11月16日のボクチン(5歳)
2009年11月16日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 十味敗毒湯は、湿疹に対する効果が記載されている割には、体質が異なればフィットしない人も多く、人によっては無効であるばかりでなく、逆効果となり、湿疹が悪化することもあります。
 稀には、めんげん(好転反応)ということもありますが、それはマレです。

 もしもそれが好転反応であれば、多くは1〜2日で、どんなに長くても1週間くらい経つと、症状がかなり劇的に改善されます。
 これらの統計は、最近の東洋医学会の雑誌に、お名前は忘れましたが女医さんが発表されておられましたが、かなり信頼できる統計だと思います。

 村田漢方堂薬局でも、超マレにめんげんの事例に遭遇していますが、41年間に数えるほどで、茵蔯蒿湯が2日目で劇的に改善。
八仙丸で、アトピーが数日やや悪化して、3〜4日目には急に改善。
それ以外には2例くらいあったように思うのですが、ちょっと今は思い出せません。それくらい好転反応というのは、稀です。

 ですから、貴女の場合は、十味敗毒湯が合わない体質だと思いますが、それでも念のため服用を続けてみるとしたら、1週間以上続けても悪化するようでしたら、ほぼ間違いなくフィットしてないのだと判断して間違いないと思います。

 ともあれ、ひとつの方剤だけで一か月分2万円とは、おそらく相談料や手間賃や技術料などが付加されているのでしょうねっ!
 お薬代だけだったら、それほど経費がかかる方剤ではないと思います。

 気になる問題はもう一つ、デリケートな皮膚病に、最初から30日分を購入させるというのは、個人的には、ハテナ?と思います。
 しばらくは7〜14日以内で、石橋を叩いて、慎重に反応を見ながら微調整を行うのが、良心的なやりかたではないかと思います。

 1ヶ月分まとめて購入できるのは、確実にフィットしていることが判明して以後に、はじめて可能となるはずです。

 ちょっと余計なことまで書いてしまいましたが、御参考までに。

2009年11月16日のボクチン(5歳)
2009年11月16日のボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

折り返し頂いたメール:

 早速のお返事と、とても分かりやすいご説明をありがとうございました。

 いままで出ていなかった顔のかゆみや乾燥は不安ですが、2〜3日続けてみます。そして改善されないようであれば私には合わなかったということでやめることにします。

 2万円を棒に振る感じですが、
 漢方にも副作用が出ること、
 きちんと見立ててもらわないと効果がないこと、
 最初は少ない日数分の処方にしてもらうことなど、

 村田さまとのご縁により学ぶこともでき、授業料として受け入れることにします。

 遠方により村田さまのところへは通えませんが、新たな漢方薬局を探してみようと思います。

 お忙しい中を本当にありがとうございました。

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2010年11月16日のボクチン(6歳)
2010年11月16日のボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2010年11月16日のボクチン(6歳)
2010年11月16日のボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年11月16日のボクチン(7歳)
2011年11月16日のボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ


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2014年05月27日

漢方薬による好転反応(瞑眩)の本当とウソ

2009年5月27日のボクちん(5歳)
2009年5月27日のボクちん(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 予期せぬ好転反応のことを漢方世界では「瞑眩」というが、最近、瞑眩に関するとても有意義な論文が日本東洋医学雑誌第65巻 第2号 2014年に掲載された。

 すなわち「瞑眩の特徴に関する検討」というタイトルで森裕紀子氏によるものである。

 瞑眩というものは本来滅多に生じるものではないが、稀にあってもやはり常々ヒゲジジイが言うように、短期間で勝負がつくものである。

 多くの場合、病状に一時的悪化や予期せぬ不快反応が生じても、それが真の好転反応であった場合は、数日以内でほとんどのケースでは一週間以内に好転に向かう。
 もっとも多いのは数日以内で不快反応が治まり、病状が好転する。

 それを裏付けてくれるとても有意義な論説であり、
2013年11月17日 投与した漢方薬でアトピーが悪化するのは好転反応だから、そのうち治るので続けるようにと説得する主治医や薬剤師のウソっ!
 で取り上げたように、専門家であるべき医師や薬剤師が明らかな有害反応であっても、すべてを瞑眩、すなわち好転反応と信じ込んでいる困った問題が巷ではあふれている。

2009年5月27日のボクちん(5歳)
2009年5月27日のボクちん(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年5月27日のボクちん(7歳)
2011年5月27日のボクちん(7歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年5月27日のボクちん(8歳)
2012年5月27日のボクちん(8歳) posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 15:21| 山口 | 瞑眩(めんげん)⇒好転反応 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月26日

漢方薬による瞑眩(めんげん)⇒好転反応は超稀にはあるっ!

 10日前に相談に来られた重度の蕁麻疹。顔が真っ赤である。
 1年間も長きにわたって蕁麻疹に苦しみ、皮膚科に通い詰めてもほとんど改善されずに困り果ててやって来られた男性。

 カルシウムとともに弁証論治に基づくエキス製剤を10日分販売した。体質と病状に確実に合っているとの判断に自信があったものの、病状と体格から考えても、むしろ明らかに漢方エキス製剤の濃度がやや不足気味である。
 しかしながら、初めて来られた人には初回は穏やかな薬効が出る程度でちょうとよいと思っていた。

 10日経って本日やって来られた報告では明らかな著効を奏し、ほとんど蕁麻疹は出なくなった。お陰でとても助かりますと素直にお礼を述べられる。
 それはよかったということで、治っていく過程の報告をしてもらうと、ナンとっ! 初日はますます蕁麻疹が悪化して全身に及んだが、翌日には腹部から次第に消えはじめたので、構わず服用を継続していたら三日目から激減して今日に至っているということだった。

 一年間の病苦が、僅か数日ににしてほとんど治った様子は、服用初日から生じた瞑眩(めんげん)現象、つまりは明らかな好転反応によるものであろう。

 しかしながら、初日の悪化に心配されて相談されていたら、きっと直ぐに中止してもらっていたかもしれないのである。
 それほど好転反応というものは、結果論でしか判断がつかないものであるからだ
 といっても黄膩苔の存在といい、肝胆系の湿熱の存在が明らかに疑われた状況からは、方剤の選定には自信があった。

 とは言え、好転反応というのは滅多に生じるものではなく、多くは薬が合ってないための逆反応であることを銘記すべきなのである。
 しばしば健康食品の利用者が、病状が悪化したり発疹が出て来たのは好転反応だからそのまま続けるように、今がとっても大切な時期であるなどと、販売業者からトンでもない説得を受けて困惑されて来られた人も多い。それらはすべて体質に合わないための副作用に他ならなかったケースばかりなのである。

 実際に35年間の漢方専門薬局経営歴でも、上記のような本物の好転反応に遭遇したのはほんの数例にも満たないのであるから、推して知るべしなのである。

参考文献:
  1. 「めんげん」「好転反応」についての御質問

  2. 瞑眩(めんげん)や好転反応に対する疑義
ラベル:好転反応 漢方薬
posted by ヒゲジジイ at 23:50| 山口 ☔| 瞑眩(めんげん)⇒好転反応 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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