ご意見やご質問はこちらから⇒●●●

  

2009年09月28日

大建中湯を冒涜する医師たちの乱用

    アオサギ
    アオサギ posted by (C)ヒゲジジイ

 本来、大建中湯は適切に用いれば、かなりな速効が期待できる名方である。
 ところが、昨今、保険漢方における乱用による副作用被害の相談が頻繁である。軽度の副作用といえども、誤投与による副作用だけに看過出来ない問題である。

 体質を選ばない開腹術後の投与は日本国中で行われる不気味な時代、単なる一時的な便秘レベルでも乱用される医師には驚かされたのがつい先日のことである。

 しかも、1回2包1日2〜3回の投与で、体重が軽い女性には1日2回であっても、通常は1日3回で1回2包の服用であると、その医師は自慢げに患者に告げたという。

 先日、野球の王さんの腸閉塞が報道されたのをきっかけに、単なる軽度の便秘を心配して受信された女性が、診断は単なる過敏性大腸炎だということで、上記の大建中湯を処方された。

 このような安易な投与によって次に何が起こるかは想像に難くない。全身がメラメラと火照り、残暑が強い昨今の季節では耐え難いほどだという苦情が、なぜか当方に寄せられた。

 関わりたくもないので「投与した医師に苦情を持ち込むようにっ!」と云いたいところだが、以前からのお馴染みさんでもあるから、敬遠することも出来ない。

 即刻中止するようにアドバイスし、適切な漢方薬(麻子仁丸製剤)を渡しておいたが、もともと基礎疾患に膠原病を持つ人だから、辛温の薬物が沢山配合された方剤を不必要に投与されると、肺陰や腎陰が損傷されて碌なことはない。

 無知ほど恐ろしいものはないが、患者さんの無知は当然としても、投与する医師たちの無知さ加減、漢方医学や中医学の基礎知識が皆無としか思えない先生方の保険漢方乱用の実態は想像絶する恐ろしい時代に突入している。
 一昔前まで、

 漢方薬なんて迷信だっ!
 漢方薬で病気が治れば世話はないっ!
 漢方薬は信じません。

 などなど、漢方薬を目の敵(かたき)にされていた多くの開業医の先生方が、保険適用の漢方が増えるにつれ、ガラッと態度が変るあの豹変振り。
 
     ホオジロ(オス)
     ホオジロ(オス) posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 21:34| 山口 ☔| 大建中湯の誤投与による不快反応や副作用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月13日

大建中湯エキス製剤による副作用⇒痒みを訴える患者さん続出

 本来、大建中湯は素晴らしい処方である。

 本方によって術後の激しい癒着症状を解決した例は枚挙に暇がないが、昨今は温暖化の時代でしかも医療用漢方エキス剤が盛んに投与される時代だから、適応者でない人までが投与されるケースが続出するためか、本方の服用者が痒みを訴えて相談を受けるケースが続出である。

 一昨年頃から顕著である。

 大建中湯の投与が必要になるケースの実際は、中焦における重度の陽虚証であり、陰寒上逆傾向の目立つかなり重度の症状を訴えるケースに限られるはずだが、昨今は術後の予防的措置として投与されるケースが多いためか、不必要に投与されて却って熱邪の侵襲による激しい掻痒を訴えるケースが目立つのであろう。

 予防的措置で投与されるのなら、桂枝加芍薬湯くらいの方が無難ではないかと思われるが、これとて稀には桂皮の辛甘大熱にやられかねない。

 それ以外にも考えられる原因が大建中湯製剤に使用される乾姜である。本来は乾燥生姜を使用すべきところを日本ではなぜだか飴色になるまで蒸した煨姜(ワイキョウ)や炮姜(ホウキョウ)もどきの乾姜なるものが大量に使用されていることにも一因がありやなしや?

 この乾姜の問題は既に何度も指摘しているので、それらを以下に列挙する。
posted by ヒゲジジイ at 09:20| 山口 ☔| 大建中湯の誤投与による不快反応や副作用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月06日

テレビで見たといって大建中湯を求める代理客

 最近、身内の消化器内科医も保険漢方の大建中湯をよく使用するとは聞いていたが、ここまできたか大建中湯、とうとうテレビでも宣伝するような事態らしく、指名客までやって来る始末。
 86歳の男性が、テレビで腸が悪いのには大建中湯が良いと言っていたのでと、代理の中年女性が処方の指名である。

 当方では代理での処方指名には応じられないので、そのご老人の主治医に相談すべきこと、大建中湯は保険漢方専門のT社が盛んに各病院に宣伝して回っているので、どこの病院でも置いている可能性が高いので、薬局で求めるよりもそのほうがベターだと説得して販売しなかった。
 お腹を強く温める漢方薬だから、本当に合っているかどうかは、専門的に診断してもらうべきこともアドパイスしたものの、そのような漢方の専門知識を一般の医師が心得ているとは限らないので大いに問題なしとしない。
●昨今、日本国内では漢方の原理・原則を無視した大建中湯の乱用が目立つ、第二の小柴胡湯事件が勃発しなければよいがと強い危惧の念を表明されるR先生。
東亜医学協会発行『漢方の臨床』誌1月号で「新年のことば」特集から抜粋引用)

 とあるように、実際のところ中焦陽虚で陰寒上逆する証候には極めて有用な方剤であるが、内外ともに熱証が主体の体質者が誤って服用すると、朝鮮人参や山椒や乾姜がタップリ配合された方剤であるから、温め過ぎるによる様々な不快症状が出兼ねないので注意が必要だ。

参考文献:痒くなる副作用が目立つ大建中湯エキス製剤の問題点
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/38103051.html
posted by ヒゲジジイ at 20:58| 山口 ☔| 大建中湯の誤投与による不快反応や副作用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。