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2007年07月14日

漢方専門病院や漢方薬局から投与される漢方薬の名無し権兵衛

 前回に続いて処方名の成分・分量の記載のまったくない漢方処方の問題である。この問題は漢方薬局でザラに見受けられるが、何もこれは薬局に限ったことではなく、各地の自費で処方される漢方専門病院や医院でも当然の如く行われている。
 この情報公開の時代に、よくもま〜〜〜漢方薬だから非公開でも許されると思っているのだろうか?

 そういう非公開の漢方処方を投与する医院や薬局に限って、そこで服用されていた患者さんは揃って「とても有名で凄く流行っている」と皆が同じハンコを捺すようである。

 そういう有名で凄く流行ってるところの漢方薬で、効果が乏しかった人や問題があった人様々、各地からこの辺境の地へ相談へやって来られる人が常に多い。これは今に始まったことではなく、数十年前の開業当初から延々と続いている日常茶飯事である。

 もちろん当方とてまだまだ未熟者、10人に一人くらいの割合で、直ぐ直ぐに適切な漢方薬の配合をアドイスし販売することができないので、常に不眠症気味の半生を続けて来た因果な商売(笑)である。(これはもののたとえというもので、現実には数十人に一人くらいのものである。

 来世では二度とこのような神経を消耗する仕事などに就くものか、と決意は固い(笑)。来世ではプロボクサーになるつもりでいるから、我ながら些かおめでたくもあるのだった。
ラベル:無表示医薬品
posted by ヒゲジジイ at 09:57| 山口 ☔| 無表示医薬品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月02日

横行する漢方薬の無表示医薬品

 もう今年だけでも、この漢方薬の煎じ薬および調合粉末薬や顆粒製剤を分包器で小分けされた無表示医薬品の相談を受けたのは10例を上回る。

 本日の御相談のケースは、ある特殊な疾患で西洋医学では治療薬がないということで、漢方薬によるクオリティー・オブ・ライフの向上・維持を目的として先日、漢方製剤を二種類お出ししたばかりの人が、身内が心配して遠方から漢方薬の顆粒剤を調合してもらったものを送ってくれたが、それを一緒に服用してよいだろうかとのお問い合わせである。

 その調合薬なるものを拝見すると、分包器で30日分を小分けされたもので、処方名の記載もなければ成分内容の記載もまったく見当たらない。その薬局の薬袋には1日3回、1回につき1包ずつ食間か食前に服用するようにとの記載および薬局の名称と住所・電話番号の記載があるのみである。
 典型的な漢方薬の無表示医薬品販売の形態であり、これを当方からお出しした漢方薬と併用してよいやらどうやら判断のしようもない。

 試みにその顆粒剤を味わってみると、どうやら十全大補湯らしき味がするが・・・?果たして?
 そこでご相談者みずからがその薬局に電話をかけて薬事法上必要な医薬品としての表示義務項目の詳細を教えてもらうように進言することとなった。

 その薬局さんから帰ってきた言葉は、「トウキ、センキュウにシモツとシクンシに補中益気湯の三つの処方を中心に配合している」との実に信じられない奇妙奇天烈な返事であった。もちろん俄かには信じられない話で、小生の長年の漢方経験からはどうみてもどこかのメーカーの十全大補湯製剤を分包器にかかただけの製品に思えるものである。

 調剤した処方内容を公開することで他所に流れては商売にならないという浅ましい魂胆かもしれないが、人体に作用を及ぼす医薬品における薬事法上の記載義務を故意に怠ること事体、由々しき問題であるはずだ。
 こういう危険で浅ましい漢方相談が横行するようでは、薬系漢方の明日には碌なことが待ってないことだろう。
posted by ヒゲジジイ at 08:24| 山口 ☔| 無表示医薬品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月05日

処方名や成分・含量が記載されてない漢方薬を服用する危険!

 昼下がりまで電話での問合せが続いた奇妙な月曜日だった。いつになく実質的な本業は夕方から猛烈な多忙となってやって来たが、それまではアリガタ迷惑なお電話のお問合せばかりである。

 しかしながら一つだけ、ちょっと問題となる「セカンドオピニオンを御願いしたい」という若い女性の声から始まった内容は、放っておけなかった。ご主人が一ヶ月前から地元の漢方薬局で調合された漢方薬が調子良く、風邪を引いたので、風邪薬も調合してもらったところ、それを服用するやいなや激しい腹痛(腸管付近)が発生したため、薬局に問い合わせたところ、毒素が排出される反応だから心配ないが、量が多過ぎたかもしれないので減量して服用を継続するように言われたという。

 不安になってネットの検索で見つけた当方のHPを見て(どのHPかは不明。沢山あるので・・・)セカンドオピニオンを得たいと思って当方に電話をかけたという。
 ところが、アドバイスしようにも自家製らしき粉末薬を調合されて、処方名も成分も何も記載されておらず、柴胡・黄除b・芍薬などを入れるような話を聞いたのみであるという。
 わずかこれだけの情報では、柴胡桂枝湯や大柴胡湯の配合生薬だろうと類推する以上のことは分からない。両処方であった場合は、それほど激しい作用を生じるようにも思えないが、薬事法で決められている重要な漢方薬の処方名や成分・分量の記載が一切無い自家製の調合粉末薬というのも怪訝である。

 この情報公開の時代に、ましてや人体に投与して薬理作用を発揮する医薬品である漢方薬に、何を飲まされているか分からないということ自体が大問題であるから、即刻服薬を中止して、薬事法を遵守するまともな漢方薬局に変えるべしとアドバイスするばかりであった。


 漢方薬の処方名や成分・含量が記載されて無いものを服用するのは、極めて危険であるから、求めるほうも十分に気をつけるべきで、ほんとうは重大問題なのである。

 ただし、ここで敢えてその薬局さんを少しだけ弁護してあげると、せっかく苦労してピントの合った漢方薬を見つけてあげても、処方名や配合薬物をすべて教えていたら、他の薬局や医療用漢方、あるいは最近最も問題となっている医薬品のネット通販(具体的な医薬品をサイト上に陳列・掲載した買い物カゴ等によるお誘い販売)に逃げられるのではないかという不安からなのであろう。
 厚生労働省が何度も内部通達で医薬品をネット上でお誘い販売することは危険だから止めるように警告されていたはずだが、来年度からは法的に完全に禁止されるという噂が薬業界ではもっぱらである。
 しかしながら、このあいまいな日本国である。例によって例の如く、またまたウヤムヤになるのではないかと怪しんでいる。
posted by ヒゲジジイ at 09:54| 山口 ☔| 無表示医薬品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする