前回の続きである。
アーチストの内服により、総ビリルビン値とγーGTPが上昇中の男性は、その後3月下旬には、総ビリルビン値が2.07にますます上昇。γーGTPは99である。
主治医は、検査表を隠そうとされるので強引に頼んでもらって来たという。
油ものを食べるとムカつくし、ここ数日眼球に明らかな黄疸もみられる。
右の肩こりや背中もだるいので、主治医に申告すると、私は心臓が専門だから消化器のことは分らないから、消化器内科にでも行ってくれと冷たい。
また、各種の検査上ではやはりアーチストの効果は不明なので今後はさらに増量していくから、勝手に中断してはならないと言われた。
そこで、元の主治医のところにその報告をもって御相談に行くと、彼(アーチストを出している医師)は、完ぺき主義だからね、貴方の自覚症状など体調がいいのだからね〜〜と、言外にアーチストを用いた治療方法の模索は必要ないとは思うがと言ったニュアンスであったが、混雑する外来で、それ以上のコメントは言われず、もうあちらに任せたのだから、これ以上は関わりたくないといったニュアンスも伺えるとのことだ。
何のことはない。本来、心臓の諸症状に悩まれていたはずのものが、昨年から漢方薬類を使用しはじめて、症状そのものが全く安定して以後は、完全主義者のアーチスト先生のお陰で、ご本人の現在の悩みは、薬物性の肝機能障害に対する不安と症状に集中している。
その程度の異常値は許容範囲だからというのが主治医の意見で取り付く島がないという。
アーチストをもう止めたい旨お願いすると、血相を変えて「勝手なことを言ってもらっては困る」とのお叱り。
当方では、その薬物性肝炎治療のために茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)エキス製剤をお渡ししたが、患者さんご本人の現在の悩みは、拡張型心筋症かどうかなどの心疾患の諸症状の悩みはどこかに吹っ飛んでしまい、薬物性肝炎による諸症状と恐怖心との葛藤でどうしようもない不安に陥られているのだ。
思い切って主治医を別の大学系列の病院に変わってはどうかとアドバイスしているところである。
まったく、本末転倒した泥沼の状況に陥っているこの患者さんの苦衷をどの医師も理解してくれない。
主治医の進言どおり、消化器内科の開業医さんをたずねると、大学医学部が同じ先生ばかりだからであろう、「たしかに要注意ではあるが」といって口を濁すだけなのだった。
また、主治医は以前はカテーテル治療を強引なまでに奨めていたのが、昨今は打って変わってアーチストによる内服治療ばかりにこだわり続けているとのことであった。
患者さん自身は地元の名士なのだから、もっと主治医に強く談判を求めればよいものを、主治医の威圧的な態度に萎縮されてどうしようもない。
これが小生だったら、きっとさらなる説明を求めて大いに噛み付いているだろうな〜〜〜と思うばかりだが、代わってあげることも出来ず、歯軋りするばかりである。
そもそもが、牛黄製剤を中心とした高価な漢方薬類の服用で楽になった事実を主治医に告げないことも問題なしとしないはずである。
その同じ病院では、心筋梗塞を繰り返し、バイパス手術・ペースメーカの埋め込みなどを経て80歳を超える高齢になって西洋医学治療ではこれ以上は不可能となった老婦人の例がある。
このケースでは繰り返す呼吸困難発作を、当方の牛黄製剤を中心とした漢方薬類でかなり緩解した状態を何年も保っているが、その病院の主治医公認で当方の漢方薬類を服用している。
のみならず漢方薬の効果をはっきりと認めてくれているのである。
そういう例もあるのだからと説得しているのだが・・・・・
posted by ヒゲジジイ at 23:40| 山口 ☔|
医薬品の副作用
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