表虚自汗やカゼひき体質に対する玉屏風散は、教科書的な知識としては言うまでもないが、実際の臨床では、くしゃみや透明希薄な鼻水、つまりアレルギー性鼻炎と称される鼻の慢性疾患に応用されることが多い。
表虚不固は、肺衛気虚の体表における病理反応を指しており、益気固表の玉屏風散が代表的な方剤である。
実際の臨床応用としては、肺気不足で鼻竅不利を来たした「くしゃみ」に対し、玉屏風散の加減方を用いて補肺固表すれば治癒させることができる。
また、肺気虚で表衛不固による「透明希薄な鼻水」にも、玉屏風散の加減方を用いて益肺固表すれば治癒させることができる。
発作様の激しい症状を呈するときは、併存する外感風邪が比較的顕著といえるので、方剤中の防風を補助すべく去風解表を追加すべきである。
たとえば既成方剤を利用する場合、外感風寒の併存では本方に「参蘇飲」あるいは「桂枝湯と苓甘姜味辛夏仁湯」などの各エキス製剤を合方し、外感風熱の併存では「銀翹散製剤」を合方するなどの配慮が必要である。
なお、体質を本格的に変えて根治に導く為には、適切な補腎剤を併用する必要とする場合が多いが、すべては弁証論治にもとづいて方剤の配合を考慮すべきであることは言うまでもないものの、本治法では六味丸系列の方剤と併用すべき場合が多いようである。
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