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2018年12月09日

漢方薬とは(間違いだらけの漢方と漢方薬)

   漢方薬とは

 漢方薬とは、漢方で用いる草根木皮や動物類を原料とした医薬品、つまり治療薬のことを指す。

 しかしながら、ネット界では「漢方」と同様、健康食品と同列に置くという甚だ錯誤・混乱したひどい扱いである。これだから薬事法違反が横行するはずである。

 また、なんと驚くべきことには某大手検索サイトさんでも「健康食品 > 漢方薬」という分類を行うほどだから、唖然とするばかりである。

 先年、このことについて当の某超大手検索エンジンさんに筆者が訂正を求める要望書を提出したことがあった。
 そして当時の応答内容をブログ「漢方と漢方薬の正しい意味」で掲載しているので、以下に引用する。

お問い合わせ内容

 いつも検索ではありがたく利用させて頂いております。
 さて、問題は登録依頼とは無関係な問題でございます。貴社のカテゴリ区分の問題です。
 漢方薬が健康食品の下位となっていること、つまり、
       健康食品 > 漢方薬

ビジネスと経済 > ショッピングとサービス > 健康 > 健康食品 > 漢方薬

とされるのは間違いだと存じますがいかがでしょうか?
 そもそも「漢方とは中国から伝来した医術であり、漢方薬は漢方で用いる草根木皮や動物類を原料とした医薬」であるはずです。
 したがって、医薬品である漢方薬を、健康食品に分類されること自体が間違っています。
 ご参考になるブログとしまして、 http://ameblo.jp/kanpoyaku/  などがあります。
 以上、早急に改善されますことをお祈り申し上げます。
                     頓首

これに対する某大手検索エンジンさんからのお返事

 ・・・・・・・・・・・サービスです。
 ご利用くださいまして、ありがとうございます。
このたびは、貴重なご意見いただきまして、ありがとうございました。
 ・・・・・カテゴリでは、登録サイトがどのようなコンテンツを主に扱って いるか、特に企業・ショップの場合は商品やサービスの内容によって分 類されています。
これらは、・・・・・・カテゴリの編集方針上の分類であって、学術的、医学 的分類ではありません。
 なお、医薬品扱いの漢方薬の製造、販売が主なコンテンツとなっているサイトの場合は以下に分類されます。

ビジネスと経済 > ショッピングとサービス > 健康 > 各種療法 > 漢方

(管理人注:差し障りがあってはいけないので、一部省略)

・・・・・・・・・・・・では編集方針に基づき、実際にサイトを見たうえで掲載先カテゴリを選択し、タイトル、コメントなどを編集して掲載処理を行っております。
 以上、ご理解いただきますようお願いいたします。

このお返事に対する当方からの折り返しのコメント

 拝復
 このたびは、ご丁寧なお返事を賜り、ありがとうございました。
 ただ、残念なことは、どう考えましても、「漢方薬」というものが、歴史的に「医薬」、つまり治療薬という歴史的な意味を有するものに対して、いくらなんでも、あるいはどういう理由があろうとも、健康食品の下位カテゴリに分類される意図には、残念ながら納得しかねる次第でございます。
 貴サイトのような超ビッグな組織において、便宜上とはいえ、

健康食品 > 漢方薬

ビジネスと経済 > ショッピングとサービス > 健康 > 健康食品 > 漢方薬

 この分類は、一般世間の誤解を生じる大きな原因となるものと思われ、残念でなりません!

 やはり、一犬虚を吠ゆれば万犬実を伝う(いっけんきょをほゆれば ばんけんじつをつたう)

のたとえ通り、誰かが好い加減なことを言い出すと、皆がそのように信じ込んで、間違ったことでもいかにも真実のように広まってしまう。 という類(たぐい)ではないかと、実に残念です!

 以上、失礼ながら、忌憚のないところを専門家の一人として、もう一度、念押し申し上げる次第です。
                  頓首
某大手検索エンジンに、健康食品>漢方薬 という間違った分類の是正のお願いをするも、謝絶されたことより
 その後の返事は一切ナシっ!
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ラベル:漢方薬
posted by ヒゲ薬剤師 at 00:02| 山口 ☁| 間違いだらけの漢方と漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月08日

漢方とは(間違いだらけの漢方と漢方薬)

  漢方とは

 漢方とは中国から伝来した医術や薬術を指す言葉である。
 「中国から伝来した医術や薬術」というのは、中国の伝統医学や薬学のことにほかならず、言うまでもないことであろう。

 医師が診断して漢方処方を投与すれば医術であり、薬剤師が薬局店頭などで漢方相談により漢方製剤を販売する行為を薬術ということになろう。

 「漢方は日本で成熟した医術である」などと特に強調されたり、日本の伝統医学であるなどと主張されるむきも多いが、この点については大いに異論や問題のあるところである。

 むしろ日本に伝わって漢方の本質を損なった点も少なしとしないのである。この点については 日本漢方を堕落させた吉益東洞 日本漢方の将来「中医漢方薬学」の提唱 や 日本漢方の問題点『中医漢方薬学に目覚めるまで』 などを参照されたい。

 ところでネット上ではしばしば健康食品類を漢方の健康食品と銘打って販売している向きも多いが、問題なしとしない。
 たとえば先年、健康被害が多発したダイエット用食品「天天素」事件などでは「マジンドール」「シブトラミン」等の医薬品成分が含有されていたにも関わらず、漢方と銘打って多くの薬局や健康食品店で販売されていた。

 いまだに中国から輸入した健康食品なら何でも「漢方」だと信じている一般人のみならずネット販売業者さん達も多いようだが、根本的な勘違いをされている。
 おおよそ漢方薬とはかけ離れたもが配合されたものでも中国から輸入したものなら何でも漢方と銘打たれるのは非常識であろう。

 極端な例では上記の天天素のように合成医薬品含有した無承認無許可医薬品であっても中国からの輸入品であれば「漢方」や「漢方薬」とも表現されるネット界の非常識は是正されるべきであろう。

 これらは牽強付会であることは明らかだが、無知蒙昧をよいことに得手勝手な拡大解釈には、ちょっと付き合いかねる世界である。

 上記のような低次元の話しはこれくらいで終わり、漢方と漢方薬の本質を考えてみたい。

   漢方と漢方薬の本質

 漢方とは何か? 漢方薬とはどんなものか?
 その本質的な所を的確に表現することは容易ではありませんが、おおよそのところは以下の通りです。

 漢方を含めた東洋医学においては、どのような病気も究極的には五臓六腑のアンバランスによって生じるものと捉えています。
 一人の身体の中で起こる病気は、その人の生まれ持った体質的な素因やストレス状況、地域的な生活環境の諸条件、あるいは食生活環境の諸条件などとも大いに関係があり、現在出ている病気の症状だけでなく、過去の病歴やその他の環境的な諸条件なども配慮し、また一見無関係に思えるような症状も参考にします。

 要するに、現在の病気の解決の為には、種々の要因を総合的に分析・判断することによってはじめて、その人の体質と病状に合った漢方薬の組合せ(配合)ができるというわけです。
 やや専門的に述べれば、

 東洋医学における疾病観は、五臓間における気・血・津液の生化と輸泄(生成・輸布・排泄)の連係に異常が発生し、これらの基礎物質の生化と輸泄に過不足が生じたときが病態とされる。
 この理由から、五臓それぞれの生理機能の特性と五臓六腑に共通する「通」という性質にもとづき、病機(病理機序)と治法を分析する。

 つまり、
1.病因・病位・病性の三者を総合的に解明し、
2.気・血・津液の昇降出入と盈虧通滞(量的な過不足と流通の過不足)の状況を捉え、
3.定位・定性・定量の三方面における病変の本質を把握する。

 これらの分析結果に基づき、
1.病性の寒熱に対応した薬物を考慮しつつ、
2.発病原因を除去し、
3.臓腑の機能を調整し、
4.気血津精の疏通や補充を行う。

 以上が真の漢方と漢方薬の姿です。

  日本漢方の悲しい現実

 但し、これは中国漢方すなわち中医学の本質であり、この本来あるべき基礎理論が日本漢方ではほとんど取り入れられていないのが現実である。

 吉益南涯の気血水説と傷寒論医学の六経弁証はあっても臓腑弁証や経絡理論を取り入れないのが日本漢方、とりわけ日本古方派の困った現実がある。

 何が困るかと言うと、日本古方派が日本の伝統医学の主流、すなわち日本漢方であるとされることに対して、同じ日本人として実に困るわけである。
 我が愛すべき日本国のこの恥ずかしい現実を如何にせむ。
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ラベル:漢方
posted by ヒゲ薬剤師 at 00:02| 山口 ☁| 間違いだらけの漢方と漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月07日

基礎理論が脆弱な現代日本漢方医学(間違いだらけの漢方と漢方薬)

  基礎理論が脆弱な現代日本漢方医学

 この問題については、すでに多くの拙論で贅言を弄してきた問題である。

 筆者自身が初期の10年以上、日本古方派漢方にのめり込んでみて感じたことは、まるで禅宗の悟りを求めるような 不屈の精神で、傷寒・金匱要略を繰り返し熟読し、方剤を理解するにあたってはまるで禅宗の公案を解く様な面持ちで、全身全霊で小柴胡湯の方意を体得せねばならないことに、感激したものである。

 すなわち学としての漢方ではなく、術としての漢方の修業の道である。

 おかげで四逆散の方意を得るのに10年間、日本漢方の流儀に従って学んだが、どうやっても理解困難で難儀し続けた。

 ところが何のことはない、本場中国の中医学書を熟読すれば、いっぺんに難問が氷解したのである。

 基礎理論を蔑ろにした吉益東洞は問題外にしても、吉益南涯がその反省から打ち立てたてた 気血水説くらいではあまりにも貧弱かつ脆弱に過ぎるのである。
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posted by ヒゲ薬剤師 at 00:00| 山口 ☔| 間違いだらけの漢方と漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月06日

附子剤を乱用気味の日本漢方(間違いだらけの漢方と漢方薬)

   附子剤を乱用気味の日本漢方

 相変わらず八味丸製剤の宣伝が盛んであるが、日本国中が食糧事情が豊富で栄養豊かでしかも暖房設備の充実した時代である。 しかも地球の温暖化現象の危機が叫ばれる時代に、日本列島全体に向けて 辛温、大熱の附子(ブシ)の配合された八味丸が、それほど普遍性があるのかどうか、再考を促したいものである。 たしかに八味丸や牛車腎気丸は適応証がある人にとっては素晴らしい薬効を奏するが、腎陽虚がなければ絶対に 使用してはならない。

 たとえ腎陽虚がある場合でも、五臓六腑はそれぞれ寒熱に違いがあるので、肺熱や肺陰虚をともなっている 場合には慎重に用いる必要がある。
 つまり肺熱や肺陰虚に対する方剤を併用するなりして、未然に肺陰が損傷されない配合が必須であるということだ。

  肺は嬌臓(脆弱な臓器)であり、寒、熱、燥、湿などいずれにも敏感に影響を受けやすい臓器であるから 五臓六腑の中でも特に配慮が必要である。

 わけても附子の辛温大熱は容易に肺陰を損傷して、乾燥性の咳嗽や血痰、咽喉腫痛あるいは口内乾燥刺激感 などを引き起こすことも珍しくないのである。
 一般薬の八味丸製剤が盛んに宣伝されることで適応証でもない人が、指名買いすることによる副作用の問題のみ ならず、医療用漢方においても八味丸エキスや牛車腎気丸エキスが盛んに投与されることで、上記のような軽度の副作用が 出ても、あらずもがなの遠慮から主治医に相談できずに漢方薬局へ問い合わせるケースも稀ではない。

参考文献

 注意が必要な漢方薬(肺陰を損傷しやすい漢方処方)
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ラベル:附子
posted by ヒゲ薬剤師 at 00:00| 山口 ☀| 間違いだらけの漢方と漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月05日

果穂茵蔯と綿茵蔯の錯誤(間違いだらけの漢方と漢方薬)

  果穂茵蔯と綿茵蔯の違い

 茵蔯蒿といえば中国では当然のごとくカワラヨモギの幼苗であるが、日本ではもっぱらカワラヨモギの果穂が用いられる。
 現実問題としては長年の経験から言えることは、日本で使用される果穂茵蔯でも十分に優れた効果を発揮するので、大きな問題はないように思われるが、実際の効力的には幼苗を用いた綿茵蔯の方が効果が優れているとされている。

 このことを論じた過去の拙論を参考のために以下に転載する。

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img535 posted by (C)ヒゲジジイ
 茵蔯蒿は本来茎葉を用いるべきで、とくに嫩葉(どんよう)ばかりを用いるのが良い。中国でも若葉だけを用いて、日本で主に使われている果穂は、用いられていません。

 いつ頃から、どうして日本ではそのように果穂ばかりを使う習慣が出来てしまったのか、勝手な憶測をいわせてもらえば、調剤上の便利さを慮って、計量に手間取る本来の嫩葉ばかりのものを廃し、サジで簡単に計れる果穂ばかりを、医者の手前勝手で使うようになったのではないか。もしそうであるとするならば、案外日本人も、ずぼらなところがあるものと、御先祖さんに対する憤りを禁じ得ません。

 従来の、果穂茵蔯でも、所期の目的を達することは、充分に可能であるようですが、本来の茵蔯蒿である嫩葉の、いわゆる綿茵蔯には、より確実な効力があるもので、聞くところでは、故荒木正胤先生や故荒木性次先生等の後世に残る大家は、綿茵蔯を使うべきだ、と主張されていたようです。

村田恭介著:中草薬漫談「綿茵蔯」(和漢薬誌339号 1981年8月)
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posted by ヒゲ薬剤師 at 00:01| 山口 ☁| 間違いだらけの漢方と漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする